・米Foxの幹部がカンヌライオンズでクリエイターと協業しビジネスを巨大化させる戦略を披露
・テレビ局の制作ノウハウとクリエイターの個性を融合し新たな視聴者体験を創出する狙い
・才能ある個人を支援しメディアの枠を超えてスケールさせるビジネスモデルへ転換
背景
かつてテレビ局は一方的な情報発信の王者として君臨していましたが、デジタルネイティブ世代の台頭によりその権威は揺らいでいます。
しかし、コンテンツ制作における卓越した技術や高い演出力は、依然として無視できない強力な資産です。
現在、米国のメディア大手であるFoxは、この旧来の知見を捨て去るのではなく、クリエイター経済の熱狂と掛け合わせることで、かつてないメディア帝国を再構築しようとしています。
なぜ今、伝統的なメディア企業が個人クリエイターの力を必要としているのでしょうか。
現状分析
Foxの幹部が強調するのは、クリエイターの才能を個人の枠に留めず、テレビ局のプロが持つ企画力やプロデュース力でパッケージ化することの重要性です。
多くのインフルエンサーはフォロワーとの強固な絆を持っていますが、長編コンテンツへの拡張やグローバル展開においては、製作上のノウハウや資金調達の面で限界に直面することが少なくありません。
彼らは、プラットフォームとしてのメディアではなく、クリエイターの可能性を最大限に引き出すインキュベーターとしての立ち位置を確立しようとしています。
これは単なる広告枠の売り買いではなく、IP創出を共同で行う戦略的なパートナーシップへの進化と言えるでしょう。
日本市場への示唆・次なる一手
日本のメディア市場もまた、テレビの視聴率低下とデジタルプラットフォームの拡大という板挟みに苦しんでいます。
結論として、これからのメディア企業が生き残る鍵は、制作リソースを自社コンテンツのみに囲い込むのではなく、外部クリエイターの才能と共有するプラットフォームをいかに構築できるかにあります。
具体的には、プロの演出チームを個人のYouTubeチャンネルやSNS運用に投入し、質を担保しながらコンテンツをスケールさせる体制づくりが急務です。
放送局が持つ信頼性と、クリエイターが持つ熱量のハイブリッドこそが、広告収益に依存しない新たな収益源を生み出す次なる一手となるはずです。
出典元: Variety


