・TemuとSheinが、De Minimis(少額免税)依存の配送モデルから脱却し、米国国内の分散型倉庫拠点を通じたLocal-to-Local配送へ移行。
・物流コストは15〜20%増加するものの、70%のカタログで2〜3日配送を実現し、AmazonやWalmartに対抗する顧客体験を構築。
・中国直送モデルのシェアが2024年のピーク時から45%急落しており、両社は物流インフラの現地化で規制リスクの回避と市場の深耕を同時に狙う。
背景
かつてTemuやSheinの爆発的な成長を支えていたのは、関税を回避できるDe Minimisという魔法の抜け道でした。
しかし、米国政府による税制の締め付けは年々強化され、もはやこのモデルは持続不可能な「時限爆弾」と化していました。
これまで「安さ」と「中国直送」を武器に市場を席巻してきた両社ですが、2026年、ついに経営の根幹を揺るがす構造改革を迫られることになったのです。
彼らは単なる安売りサイトから、正規のインフラを持つ「物流テック企業」へと脱皮を図っています。
現状分析
Temuは米国の中西部やサンベルト地帯を中心に約1500万平方フィートもの倉庫を確保し、売れ筋商品をあらかじめ国内在庫する戦略に切り替えました。
これは、一見すると輸入関税を甘んじて受け入れるコスト増の判断に見えます。
しかし、物流の専門家が指摘するように、この動きには二つの大きな狙いがあります。
一つは、物流の安定化によるAmazon並みの配送速度の実現、もう一つは、政府からの圧力に対する防波堤の構築です。
実際、SheinはDHLやRyderなどの大手3PLと手を組み、徹底的に現地インフラを飲み込む姿勢を見せています。
結果として中国からの直送シェアは激減しましたが、その分、米国内での配送品質は劇的に向上しました。
日本市場への示唆・次なる一手
この現象は、日本市場のプレイヤーにとっても対岸の火事ではありません。
グローバルな物流ルールが変われば、次に狙われるのは、中国から日本への低価格配送ルートである可能性があるからです。
今後、勝ち残るEC企業は「いかに早く、物理的に顧客に近い場所で在庫を持つか」という正攻法の競争へと回帰します。
コスト増を恐れず、物流をバリューチェーンの核に据えること。
そして、単なるプラットフォーム依存から脱却し、自律的なサプライチェーンを持つことが、次世代のスタンダードになることは間違いありません。
出典元: TechCrunch


