・中国の高考卒業生の間で、かつての定番品への投資よりも旅拍(ロケーションフォト)、美容、免許取得といった体験型消費が台頭している。
・デジタルネイティブであるZ世代は、モノの所有を通じた満足よりも、SNSでの共有価値や自己成長を伴う体験に高い価値を置く傾向がある。
・この消費構造の変化は、単なるトレンドの移り変わりではなく、中国市場における新たなマーケティングの必須要件を示唆している。
背景
かつて、中国の若者にとってのギフトや消費の象徴といえば、スマホやパソコン、あるいは時計といった物質的なモノが中心でした。
しかし現在、その風景は一変しています。
激しい競争を勝ち抜いた高考(大学入試)直後の学生たちの関心は、明らかに形あるモノから、記憶や自分自身のアップデートへと移行しました。
この変化は、成長一辺倒だった中国経済が成熟期に入り、消費者の精神的な充足を求めるフェーズへと突入したことを如実に物語っています。
現状の深い分析
注目すべきは、旅拍や美容、免許取得といった体験への積極的な投資です。
これらは単なるレジャーではありません。
旅拍は美しい写真をSNSでシェアすることで自己をブランディングし、美容は清潔感や自信を手に入れ、免許取得は社会人としての自立に向けた準備を意味しています。
つまり、彼らの消費は「自己肯定感」と「将来への投資」という二つの軸で動いています。
一方で見過ごせないのは、企業側の対応の遅れです。
既存の小売モデルに固執するブランドは、この新しい波に乗り遅れるリスクを抱えています。
さらに、消費者が求めるのは画一的なサービスではなく、自分のアイデンティティを表現できる個別の体験です。
日本市場への示唆・次なる一手
日本企業がこの中国市場で勝ち抜くためには、モノそのものの品質を伝える従来の広告戦略から脱却する必要があります。
結論として、中国市場における次なる一手は、顧客体験の中にいかにストーリーと自己実現の要素を組み込めるかにかかっています。
例えば、単なる美容製品の販売ではなく、プロによる変身体験と撮影までをパッケージ化したサービスや、中国のZ世代の価値観に寄り添ったコラボレーションなどが考えられます。
体験を売ることで、ブランドは単なる物販の対象から、彼らの人生の一幕を彩るパートナーへと進化できるはずです。
今こそ、スペックの時代を終え、体験の時代に応えるブランド転換が求められています。
出典元: wuhan.gov.cn


